電力ネットワーク

再エネ

国内送電網の強化に向けた動き(Ⅱ)

高圧直流送電(HVDC:High Voltage Direct Current)は電力系統間で送電するための技術で、送電側の電力を交流から直流に変換して送電し、受電側で交流に戻して電力を使用する。長距離送電に適しており、周波数が異なり直接交流で接続できない系統間の連系に適している。今後、再生可能エネルギーの拡大や電力システム改革の進展に伴い、洋上風力発電所との連系や送電系統の広域的連系などでHVDCの導入が本格化する。
再エネ

国内送電網の強化に向けた動き(Ⅰ)

再生可能エネルギーの導入速度には追いつけず、「再エネ制御」が常態化するに至った。2022年、政府は再エネ大量導入と巨大災害への耐性向上を実現するため、2050年までの送配電網の整備計画(新送電網の整備計画と地域内送電網の増強)をまとめ、約6兆〜7兆円の投資を決定した。 
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅶ)

揚水発電には、太陽光・風力発電の出力変動の吸収と短期周波数の調整機能が求められる。これが実現できれば、火力発電所の待機運転を止め、燃料費やCO2排出量の削減が可能となる。今後、原子力発電の再稼働に向けて温存している「定速揚水発電」を、早い段階で電力系統の瞬間的な電力調整も可能で高効率な「可変速揚水発電」に改修して設備稼働率を上げ、再生可能エネルギーの導入拡大への対応を図る必要がある。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅵ)

変動型再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電が増加した地域では、「再エネ制御」を防ぐためには「送配電網の増強」や「電力貯蔵システムの設置」が不可欠である。しかし、系統網の増強は設備投資が巨額であり、監督省庁による許認可の取得手続きに時間を要する。そのため、短期的にはコストや手続きの面で有利な電力貯蔵システム、中でも「定置型蓄電池の導入」が2022年から国内でも急速に進められている。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅴ)

蓄電池導入の最大の課題は低コスト化である。EV用蓄電池のリユースや安価な中国産蓄電池の導入の声が聞こえるが、政府による具体的な方策は示されていない。また、定置型蓄電池と需要地点を結ぶ送電線の空き容量が少ないことも大きな問題である。政府は、「日本版コネクト&マネージ」による送電線の空き容量の活用を進めており、系統用蓄電池の普及にも有効である。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅳ)

再エネ大量導入の加速に向けて政府はようやく重い腰を上げた。「2022年1月の電気事業法改正による大規模系統用蓄電池の普及支援」と、「2023年2月の揚水発電所の維持・更新の支援」である。しかし、あまりに遅すぎた支援のために、国内では「再エネ制御」の常態化が始まっている。国内での定置型蓄電設備の多くは、「再エネ電源併設型」と「需要地点併設型」で進められてきた。特に、北海道エリアでの系統に直接接続する「系統用蓄電池」に始まり、「系統用蓄電所」の設置が急増している。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅲ)

変動型再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電が増加した地域では、電力平準化のために送配電網の増強や電力貯蔵システムの設置が不可欠である。しかし、系統網の増強は設備投資が巨額であり、監督省庁による許認可の取得手続きに時間を要する。そのため、短期的にはコストや手続きの面で有利な電力貯蔵システム、中でも定置型蓄電池の導入が急速に進んでいるのが現状である。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅱ)

再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため、様々な電力貯蔵システムの開発が進められている。中でも、秒単位の応答が可能な「リチウムイオン電池」と大電力貯蔵が可能な「揚水発電」が、既に商用化されており早急な普及拡大が望まれる。一方、さらなる経済性の追求から、「LAES」、「CO2バッテリー」、「ヒートポンプ蓄熱蓄電」、「水素電力貯蔵」などの研究開発の加速が期待される。
再エネ

電力貯蔵システムの開発現状(Ⅰ)

「再エネ出力制御」は、2018年に九州エリアで離島以外では初めて行われた。現在では、東京エリアを除く全電力会社で実施されている。抜本的な対策を施さないまま、「再エネ出力制御」は常態化しているのが現状であり、再生可能エネルギーの導入意欲が削がれている。一方、IRENAの報告によれば、世界的に再生可能エネルギー(主に太陽光発電と陸上/洋上風力発電)の導入は顕著な増加傾向を示しており、その設置コストは年々減少傾向を示している。
再エネ

常態化する再エネ制御とその対策(Ⅵ)

太陽光発電と風力発電での実証試験により大容量蓄電設備導入の有用性が確認された結果、北海道エリアから「蓄電設備併設太陽光発電所」の設置が始まったが、民間企業主体で蓄電設備が高コストのために拡大は限定的である。一方、太陽光発電に比べてより大規模となる風力発電所に関しては、「再エネ電源併設型」と「需要地点併設型」の両方の蓄電設備(一部は蓄エネルギー設備)の実証試験が始まっている。