カーボンニュートラル

はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅳ)

政府主導で「非効率石炭火力」の休廃止が進められる一方で、「高効率石炭火力」へのリプレースと新設が進められた結果、火力発電の総発電電力量は漸減傾向にあるものの、第6次エネルギー基本計画で示された2030年の目標にはまだまだ遠いのが現状である。2011年の東日本大震災以降の国内の火力発電の抑制状況について、より詳しくエネルギー事情を観てみよう。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅲ)

2021年10月に策定された第6次エネルギー基本計画で示された2030年を目標とした発電電力量構成比には、まだまだ道は遠い。特に、原子力発電の再稼働は順調に進んでいないとの報道もある。本当か?2011年の東日本大震災以降の国内原子力発電の再稼働状況について観てみてみよう。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅱ)

2010年度における発電電力量の構成比は、原子力25.1%、火力65.4%、水力7.3%、地熱及び新エネルギーが2.2%である。しかし、2011年3月の福島第一原発事故以降、原子力発電所は順次に運転停止され、2014年度における発電電力量構成比は、原子力0%、火力87.5%、水力7.9%、地熱及び新エネルギー4.6%となった。その後、2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が導入、2015年12月に地球温暖化対策の国際的枠組みの「パリ協定」が採択された。その結果、2020年度の発電電力量の構成比は、原子力3.9%、火力76.3%、水力7.8%、地熱及び新エネルギー12.0%と、再生可能エネルギーが約20%に達した。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅰ)

日本における主要電源は、1965年頃までは水力発電が主体であった。しかし、1973年の第一次石油危機までは石油火力発電が急増し、その後、石油に替えて石炭火力発電とLNG(液化天然ガス)火力発電、そして原子力発電が担い、高度成長を支えてきた。ところが、2011年の東日本大震災以降、「東京電力福島第一原子力発電所事故」により原子力発電の安全神話が崩れて急激に減少した。一時的に休・停止中の石油火力発電が稼働したものの、現在では再稼働の進まない原子力発電の不足分を、石炭火力発電とLNG火力発電が補っている。
はじめに

2023年度のエネルギー需要実績(Ⅳ)

日本は2030年度において温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指し、さらに50%に向けて挑戦することを表明した。2013年度のCO2排出量は12.35億トンであり、46%削減の目標値は6.67億トン、50%削減の目標値は6,18億トンである。2023年度のCO2排出量は前年度比4.8%減少し、2013年度比で25.9%減少となる9.2億トンとなり、1990年度以降の最小を更新した。
はじめに

2023年度のエネルギー需要実績(Ⅲ)

2023年度の一次エネルギー供給は17,550PJで、前年度比で4.1%減少した。内訳はシェア80.8%の化石燃料が14.186PJで7.0%減少し、シェア19.2%の非化石燃料が3.364PJで10.6%増加した。2023年度の最終エネルギー消費は11,476PJで前年度比3.0%減少し、若干の凸凹でこぼこはあるが2005年度をピークとして年々減少している。
はじめに

2023年度のエネルギー需要実績(Ⅱ)

二次エネルギーへの加工・転換には、「一次エネルギー国内供給」の一部が使われる。2023年度の「一次エネルギー国内供給」は17,550PJであるのと比べて、「二次エネルギー」である石油製品生産量は5,510PJ、発電用のエネルギー投入量は8,545PJであることから、大きな割合を占めていることが分かる。
はじめに

2023年度のエネルギー需要実績(Ⅰ)

2024年11月、経済産業省は2023年度のエネルギー需給実績(速報)を公表した。一次エネルギー総供給は18,593PJで、前年度比で4.7%減少した。一次エネルギー国内供給17,550PJの内訳は、シェア80.8%の化石燃料が14.186PJで7.0%減少し、シェア19.2%の非化石燃料が3.364PJで10.6%増加した。  
はじめに

止まらない地球温暖化

 2025年1月 欧州連合(EU)の気象機関「コペルニクス気候変動サービス」は、2024年の世界平均気温は観測史上最高となり、産業革命前(1850~1900年の平均)と比べて1.6℃上昇したことを公表した。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げる気温上昇幅の抑制目標である1.5℃を初めて単年で超えた。
はじめに

進み始めた日本のグリーン変革(Ⅲ)

「グリーントランスフォーメーション」を進めるための最大の課題は、非化石燃料電源への転換に要する膨大な投資費用であり、政府は今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資が必要としている。日本の部門別CO2排出量(2022年度、電気・熱配分前)は、エネルギー転換部門は40.5%、産業部門が24.4%、運輸部門が17.8%、業務その他部門が5.5%、家庭部門が4.8%、その他7%である。そのためグリーントランスフォーメーションは、エネルギー転換部門、産業部門、運輸部門が当面の対象となる。