電力貯蔵

再エネ

日本がリードしてきた太陽光発電(Ⅱ)

出力1MW (メガワット、=1000kW)以上の大規模太陽光発電所が、メガソーラーと呼ばれている。一般に、1,000kW以上のメガソーラーを設置するには、約2ha(ヘクタール、=100X200m)の土地が必要である。最近では大規模な設置場所が限定されてきたこともあり、ミドルソーラーと呼ばれる出力規模:10~50kWの太陽光発電設備も増えている。
再エネ

日本がリードしてきた太陽光発電(Ⅰ)

太陽電池は、p型半導体とn型半導体との接合面(p-n接合面)に光が吸収されると、電荷分離が生じて電子とホール(電子の抜けた穴)が生成され、それを集電極に導くことで起電力が生じる現象を利用する。現在も主流である第一世代のシリコン系太陽電池セルは、その結晶型により単結晶と多結晶とに分類される。第二世代の太陽電池はシリコン使用量の少ない薄膜型や、シリコンを全く使用しない金属化合物系太陽電池が実用化されている。最近では、第三世代の太陽電池として量子ドット型も注目されている。
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世界で導入が進む太陽光発電(Ⅱ)

この数年で太陽光発電への期待度が急速に高まっている。IAEの示す目標では、2050年の電源構成に占める太陽光発電の割合が33%➡41%へと高く設定されている。風力発電の割合は35%➡31%、その他の再生可能エネルギーの割合も20%➡17%、水素発電・CCUS付き発電の割合も4%➡3%へと減少している。
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世界で導入が進む太陽光発電(Ⅰ)

IEAによると、2022年の世界のCO2排出量は369億トンと過去最高を示した。2050年のネットゼロ達成のためには、2030年時点でCO2排出量の削減目標を、211億トン➡240億トンに積み増す必要がある。この目標達成のカギとなるのは再生可能エネルギー発電の増強である。2022年の世界の再生可能エネルギー発電の設備容量は3629GW(36.29億kW)だが、2030年には約3倍の1万1008GW(110.08億kW)に拡大する必要がある。そのため、太陽光発電の追加設備容量を630➡820GW/年に積み増す必要があるとした。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅵ)

老朽化した中小水力発電設備の補修やリプレースは、発電事業者には大きな費用負担であり、事業からの撤退の原因ともなっている。政府は既存設備のリパワーリングやリプレースによる高効率化を積極的に推進し、発電電力量の増大を図るための仕組み作りを行う必要がある。また、中小水力発電の導入拡大に関しては、地方自治体任せになっていないだろうか? 開発初期での流量調査や測量に関するコストが増大しており、今後、気候変動による流水量の変化を含め、政府としての積極的な支援により調査を進め、新規地点の開発を促進する必要がある。
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再エネ出力制御の問題(Ⅴ)

2023年2月、蓄電池に注目した蓄電設備の導入は、高コストのために短期間での増設は困難であることに気付いた政府は、既存の揚水発電所の活用への支援策を打ち出している。しかし、具体的な動きは未だ報告されていない。今後の揚水発電所の更新や新設に期待したい。一方、高効率で短期周波数の調整に優れた可変速揚水発電機が注目されているが、全揚水発電所の17%程度に過ぎない。早急に既設の定速揚水発電機を可変速揚水発電に改修して設備稼働率を上げ、真の再生可能エネルギー拡大を目指す必要がある。
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再エネ出力制御の問題(Ⅳ)

再エネ太陽導入に向けて「再エネ出力制御の常態化」と「再生可能エネルギー導入の頭打ち」を打破すべく、政府はようやく重い腰を上げた。遅ればせながら、2022年1月の電気事業法の改正による大規模系統用蓄電池の普及支援と、2023年2月の揚水発電所の維持や更新の支援である。 蓄電設備導入の最大の課題は低コスト化であるが、蓄電設備と需要地点を結ぶ送電線の空きが少ないのも課題である。再エネ大量導入に向けて北海道エリアでは系統に単独で直接接続する系統用蓄電池が急増し、送電線の運用容量の制約による系統混雑の発生が懸念され、実証事業が始められている。
再エネ

再エネ出力制御の問題(Ⅲ)

固定価格買取制度(FIT)により太陽光発電所が急増したことを受け、2015~2016年に北海道の南早来変電所(レドックスフロー電池)、宮城県の西仙台変電所(リチウムイオン電池)、福島県の南相馬変電所(リチウムイオン電池)、福岡県の豊前発電所(NaS電池)内に大型蓄電設備が配備された。蓄電設備は系統運用の安定化に優れていることが実証されたが高コストのため、2017年頃から北海道で蓄電設備併設太陽光発電所の設置が始まっているが、未だ限定的である。より大規模となる風力発電所に関しても蓄電設備併設(一部は蓄エネルギー設備)が検討されているが、試行錯誤の最中である。