はじめに 米国のエネルギー政策大転換(Ⅰ) 2025年1月、トランプ大統領は、バイデン前政権下の気候変動・クリーンエネルギー政策を大幅に転換する5つの大統領令に署名。米国のエネルギー政策の脱炭素(カーボンニュートラル)からの大転換で、「ソーシャル・ティッピング・ポイント(社会的転換点)」に関する壮大な社会実験の始まりである。 2025.09.16 はじめに
再エネ 世界で進む風力発電の導入現状(Ⅲ) 極めてポテンシャルが高いのに風力発電が拡大しない理由は、企業として風力発電事業に”うま味”がないためである。その証拠は、1990年代後半以降に補助金で設置された既設風力発電所が約20年の寿命を迎えて撤去が相次いでいることから明らかである。既設風力発電所は環境アセスをクリアし、約20年間以上にわたり発電を行ってきた。新たに環境アセスを実施して風力発電所を新設するよりも、既設発電所を更新する方がよほど合理的に風力発電を拡大できる。 2025.09.12 再エネ
再エネ 世界で進む風力発電の導入現状(Ⅱ) 海外では風力発電が太陽光発電よりも導入が進んでいる。しかし、日本では2023年度において太陽光発電が国内の年間発電電力量の9.8%に達しているのに対し、風力発電は2011年度と比べて約2倍に増加したが1.1%にとどまり、年間発電電力量では太陽光発電の1/10以下の低水準である。 一方、日本の陸上風力ポテンシャルは出力ベースで1億4376万kWと、国内の全発電設備容量の70%に達する。また、洋上風力ポテンシャルは出力ベースで6億784万kWで、国内の全発電設備容量を超えて294%にも達する。ポテンシャルは高いのに、なぜ、風力発電の導入は進まないのか? 2025.09.09 再エネ
再エネ 世界で進む風力発電の導入現状(Ⅰ) 世界の風力発電の総設備容量は、2015年から年平均成長率11%で増加しており、2024年末時点で11億3600万kWに達した。その内訳は、陸上風力が10億5230万kW、洋上風力が8320万kWである。国別の陸上風力発電設備の総導入量は、2024年末時点で1位は中国で4億7878.7万kW(シェア:46%)と伸びが著しい。日本の総導入量は558.9万kWで、世界の導入量の約0.5%である。一方、洋上風力発電設備の総導入量は、2024年末時点でも1位は中国で4181.3万kW(シェア:50%)と伸びが著しい。日本の総導入量は288万kWであり、世界の導入量の約0.3%と大きく出遅れている。 2025.09.05 再エネ
自動車 EVに負けたFCVのその後(Ⅸ) 日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)によれば、政府による補助金制度のもと、2020年の設置目標の160カ所をクリアし、2023年3月、全国で運用されている水素ステーションは179カ所に達した。しかし、2025年4月には156カ所に減少し、2025年の設置目標の320カ所の達成には程遠いのが現状である。 2025.09.02 自動車
自動車 EVに負けたFCVのその後(Ⅷ) 水素エンジン自動車の車体価格が現状のガソリン車並みとなれば水素エンジン車は優位である。合成燃料(e-fuel)価格が水素並みとなれば、合成燃料自動車が優位となる。トヨタ自動車は、e-fuel価格が下がるのを座して待つよりも、積極的に水素エンジン車の車体価格を下げる戦略に出ている。 2025.08.28 自動車
自動車 EVに負けたFCVのその後(Ⅶ) 水素エンジン車の開発は、「水素エンジン自動車」には限定されていない。現在では「水素エンジン・バイク」、「水素エンジン・フォークリフト」、「水素エンジン・トラック」、「水素エンジン・クレーン」、「水素エンジン発電機」と幅広い展開が進められている。 2025.08.26 自動車
自動車 EVに負けたFCVのその後(Ⅵ) 2021年5月、トヨタ自動車が、水素エンジンを搭載したカローラスポーツで耐久レースに参戦して以来、水素エンジン車(HICV:Hydrogen Internal Combustion engine Vehicle )の報道が過熱気味である。まずは、水素エンジンのメリットとデメリットについて、明らかにする。 2025.08.21 自動車
自動車 EVに負けたFCVのその後(Ⅴ) 2018年3月、トヨタ自動車が大型FCバス「SORA」の販売を開始し、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京都に納入されて以降、国内ではFCバスに関する大きな動きは見られない。「SORA」は、いすゞ自動車と日野自動車の合弁会社であるジェイ・バスの小松事業所で生産されている。 2025.08.19 自動車
はじめに 今、脱炭素化で異変が起きている! 現在めざしている脱炭素社会は、安価な「グリーン水素」が豊富に入手できるという予測を元に組立られたものである。しかし、これまでの世界情勢から見て、安価な「グリーン水素」が豊富に入手できるという仮定は大きな壁にぶち当たり、当面は実現しそうにもない。それでは当面の間、安価な「グリーン水素」が豊富に入手できないと仮定した場合に、脱炭素社会はどのような層構造になるであろうか?下図の網目の部分が存在しない場合を考えてみよう。 2025.08.13 はじめに