バイオ燃料

重機

重機分野の脱炭素化(Ⅴ)

建設機械各社で、建機にバイオ燃料を活用する動きが拡大している。CO2削減の本命は電動式や水素エンジン式であるが、価格がディーゼルエンジン機の3~4倍以上と高く、燃料供給にも課題がある。バイオ燃料は軽油より高価格であるが、エンジンの改造の必要はなく、また燃料充填に際して特別な設備を必要としない点が注目されている。
自動車

次世代自動車燃料の取り組み(Ⅰ)

経済性の観点から、現状のガソリン車やディーゼル車が、一挙にBEVやFCEVに転換するとは考えられていない。特に、新興国を中心として従来のガソリン車やディーゼル車を利用しつつ、低環境負荷のバイオ燃料(Biofuel)や合成燃料(e-fuel)を使用する移行期間が存在するであろう。一方、米国、ブラジル、EUを中心にバイオ燃料の生産量は急速に伸びているが、現状は製造原料が食料と競合する「第一世代のバイオエタノール」が主流である。食料と競合しない第二世代のセルロース、第三世代の藻類の開発が始まっているが、合成燃料e-fuelと共に低コスト化が大きな課題である。
船舶

船舶用エンジンと燃料の現状(Ⅲ)

バイオ燃料供給には既存の給油インフラが使用でき、燃料の種類によっては既存のディーゼルエンジンの仕様を変更せずに、船舶用燃料として使用が可能(ドロップイン燃料)である。ただし、バイオ燃料の導入拡大には低コストと共に供給可能量が課題であり、現時点では船舶への供給方式の検討やバイオ燃料による試験走行に留まっている。
自動車

次世代バイオ燃料の動向

ユーグレナが製造・販売するバイオ燃料『サステオ(SUSTEO)』には、2020年3月に完成した軽油の代替となる「次世代バイオディーゼル燃料」と、2021年3月に完成したジェット燃料の代替となる「バイオジェット燃料(SAF)」がある。現在、自動車、航空機、船舶、鉄道などでの実証試験が進められているが、継続して使用するためには低コスト化が大きな課題である。脱炭素化をリードするために、日本が持つ数少ないキー技術の一つであり、将来に向けて公的支援などによる育成が不可欠である。
航空機

バイオ燃料の近未来予測

バイオ燃料は第一世代から第二世代への移行期にあり、今後、実用化段階にある油脂由来の先進型バイオディーゼルHVO、実証段階にあるセルロース由来のバイオエタノールが急拡大する。国際航空のカーボンニュートラル(CN)に向け、短中期的にはSAFがバイオ燃料の普及をけん引する可能性が高い。
火力発電

火力発電に使われる燃料(Ⅱ)

バイオマスは生物起源による有機物資源である。これを燃焼(混焼あるいは専焼)させることで、従来の化石燃料と同様に火力発電システムを用いて電力を得ることができる。「カーボンニュートラル」が成立するため、地球温暖化対策に有効な再生可能エネルギーと位置付けられている。
自動車

バイオエタノールとは?

バイオエタノールは、農作物、木材・古紙などの植物の糖分を微生物によってアルコール発酵させ、蒸留して作られる液体アルコール(C2H5OH)であり、ガソリン代替、またはガソリンとの任意の濃度での混合利用が可能である。
自動車

バイオディーゼルとは?

バイオディーゼルはバイオマス(菜種油、パーム油、大豆油、魚油・獣油、廃食用油など)の油脂を原料としたもので、主にディーゼルエンジン向けの燃料である。油脂は粘度が高いため、主にアルカリ触媒法(湿式洗浄法)でグリセリンを除去して精製される。
自動車

バイオエタノールの導入目標

バイオエタノールは、気候変動枠組条約では「カーボンニュートラル」として位置づけられており、使用時にCO2排出量には計上されない。そのため自動車用ガソリンの代替燃料としてバイオエタノールを使用できれば、CO2排出量の削減につながる。