中小水力

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なぜか伸びない水力発電(Ⅵ)

2000年代に入り、欧米と日本における大規模水力発電所の開発はほぼ完了し、水力発電市場は豊富な水力資源を有する開発途上国の中国、インド、北米、ブラジル等の中南米へと移行した。そのため、水力発電システムのメーカー集約化が進み、オーストリアのAndritz(アンドリッツ)、米国General Electric(GE)、ドイツVoith hydro(フォイト)の欧米企業と、中国のハルピン電機集団と東方集団が、世界シェア上位を占める状況に至った。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅴ)

FITにより水力発電の導入を推進する仕組みは徐々に出来上がったが、水力発電設備の累積導入量は頭打ちの状況にある。これはFITで推進している中小水力発電が出力:3万kW以下と小容量であり、総設備容量の約5000万kWに比べて寡少なためである。重要な問題点は、近年の水力発電電力量が減少していることである。最近では、2015年の871億kWhをピークに、それ以降は減少傾向を示し、第6次エネルギー基本計画の目標値である1023~1034億kWhの到達が見通せないことである。 (図10中の赤線が水力発電電力量)
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なぜか伸びない水力発電(Ⅳ)

 政府は、大水力の開発はほぼ終了しているとし、「流れ込み式による3万kW未満の中小水力の開発」を目標に設定した。しかし、そもそも太陽光発電や風力発電に比べて、中小水力発電の導入ポテンシャル(開発余地)は圧倒的に少なく、増設が困難であったのか? 
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なぜか伸びない水力発電(Ⅲ)

中小水力発電の設備利用率は50~58%で、地熱発電の49%で、風力発電の約22%、太陽光発電の約15%と比べてはるかに高く、電力貯蔵を必要としない特長を有する。また、水車と発電機は国内で調達することが可能であり、純国産エネルギーと位置付けられ、エネルギー自給率の向上に貢献する。そのため、政府は中小水力発電の積極的な導入をめざして、河川の水利使用許可の手続き簡素化と河川流況データや利水計画の情報公開を進めた。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅱ)

一般水力発電は燃料を必要とせず、調整池式や貯水式では昼夜・天候を問わずに24時間の発電運転が可能である。中小水力発電の設備利用率は50~58%で、地熱発電の49%で、風力発電の約22%、太陽光発電の約15%と比べてはるかに高く、電力貯蔵を必要としない特長を有する。また、水車と発電機は国内で調達することが可能であり、純国産エネルギーと位置付けられ、エネルギー自給率の向上に貢献する。また、中水力発電の発電コストは11円/kWhと安く、大規模なLNG火力発電の10.7円/kWhとほぼ同等である。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅰ)

国内における水力発電所の立地を考えた場合、新たにダムなどの大規模な土木工事を伴わない中小水力発電は、風力や太陽光と同様に設備を導入しやすい。国土交通省は2013年、河川環境や河川使用者に影響が出ないことを条件に、水力発電所の新設や増強に必要な取水量を増やす手続きを簡素化した。中長期指針となる第6次エネルギー基本計画では、総発電電力量に占める水力発電の割合を11%とし、設備の老朽化を念頭に置き、「既存設備のリプレース等による最適化・高効率化や発電利用されていない既存ダムなどへの発電機の設置などを進め、発電電力量の増加を図る」と明記した。しかし、水力発電は伸びない!
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再生可能エネルギーの未来予測(Ⅵ)

老朽化した中小水力発電設備の補修やリプレースは、発電事業者には大きな費用負担であり、事業からの撤退の原因ともなっている。政府は既存設備のリパワーリングやリプレースによる高効率化を積極的に推進し、発電電力量の増大を図るための仕組み作りを行う必要がある。また、中小水力発電の導入拡大に関しては、地方自治体任せになっていないだろうか? 開発初期での流量調査や測量に関するコストが増大しており、今後、気候変動による流水量の変化を含め、政府としての積極的な支援により調査を進め、新規地点の開発を促進する必要がある。