
事故耐性燃料の開発(Ⅲ)
現行のジルカロイ被覆燃料棒に比べて耐熱性に優れた事故耐性燃料(ATF)は、水素爆発や炉心溶融など過酷事故の発生・拡大を抑える効果が期待できる。そのため、既に米国では商用炉を用いた照射試験が行われており、中国、ロシア、フランス、韓国なども開発に乗り出している。短期的なATF概念として、燃料被覆管に「Crコーティング・ジルカロイ」、燃料ペレットに「酸化物ドープ・ウラニア」、長期的なATF概念として、燃料被覆管に「FeCrAl(-ODS)改良ステンレス鋼」、「SiC/SiC複合材料」、燃料ペレットに「窒化ウラン(UN)」、「ケイ化ウラン(U3Si2)」があげられている。