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はじめに

2023年度のエネルギー需要実績(Ⅰ)

2024年11月、経済産業省は2023年度のエネルギー需給実績(速報)を公表した。一次エネルギー総供給は18,593PJで、前年度比で4.7%減少した。一次エネルギー国内供給17,550PJの内訳は、シェア80.8%の化石燃料が14.186PJで7.0%減少し、シェア19.2%の非化石燃料が3.364PJで10.6%増加した。  
はじめに

止まらない地球温暖化

 2025年1月 欧州連合(EU)の気象機関「コペルニクス気候変動サービス」は、2024年の世界平均気温は観測史上最高となり、産業革命前(1850~1900年の平均)と比べて1.6℃上昇したことを公表した。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で掲げる気温上昇幅の抑制目標である1.5℃を初めて単年で超えた。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅹ)

政府は 「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、国内のガス事業分野では既存インフラを活用できる「合成メタン」を社会全体で活用することを想定している。また、水素やバイオガスも適材適所で利用を進め、エネルギー全体の最適化をめざす。キーとなるのは、メタネーション技術である。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅸ)

政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に向け、グローバルなサプライチェーン構築は不可欠である。そのため、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどを中心に商社が加わり、合成メタン(e-メタン)のサプライチェーン構築に向けたプロジェクトが国内外で進み始められている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅷ)

合成メタンは、再生可能エネルギーによる①グリーン水素の製造、工場や発電所から②CO2を回収貯留して原料とし、③メタネーション技術で合成される。この①②③の観点から、大手商社が様々な活動を進めている。一方で、大手商社では合成メタンだけでなく、バイオメタンや合成燃料(e-fuel)の導入に向けて幅広い活動も進めている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅶ)

バイオメタンは、下水汚泥や生ごみ、家畜ふん尿などバイオマス由来のバイオガス(CH4:60%、CO2:40%)から、CO2を分離・精製したガスである。東京ガスと大阪ガスは、メタン生成菌による生物反応によりCO2とH2をメタンに変換するバイオメタネーションの開発を進めている。また、大阪ガスはバイオガス中のCO2を原料として生物反応によりメタネーションする技術や、バイオガスから生物反応や化学反応により合成メタンを製造する技術の開発も進めている。 
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅵ)

次世代メタネーション技術は、水素(H2)と水(H2O)を原料とし、80℃程度で固体高分子電解質膜(PEM)水電解装置によるPEM型メタネーション技術と、水素(H2)と水蒸気(H2O)を原料とし、800℃程度で固体酸化物型電解セル(SOEC)水電解装置によるSOEC型メタネーションによるメタン(CH4)合成が中心である。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅴ)

サバティエ反応メタネーション装置は、サバティエ反応(CO2+4H2→ CH4+2H2O)に基づくもので、INPEX/大阪ガス、カナデビア(旧日立造船)、IHI、デンソー、アイシン、日本特殊陶業、豊田自動織機などが、メタネーション装置を商品化・開発している。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅳ)

既に、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を原料とし、触媒(Ni、Ruなど)を用い、500℃程度で熱化学反応でメタンを合成するサバティエ反応メタネーションが開発され実用化されている。再生可能エネルギーの電力を使いメタンを合成するサバティエ反応メタネーションの変換効率は55~60%である。最近は、水(H2O)とCO2を原料とし、電気化学反応により80℃程度のPEM型メタネーションで変換効率70%超、800℃程度のSOEC型メタネーションにより変換効率85~90%をめざす開発などが行われている。
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都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅲ)

既に、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を原料とし、触媒(Ni、Ruなど)を用い、500℃程度で熱化学反応でメタンを合成するサバティエ反応メタネーションが開発され実用化されている。再生可能エネルギーの電力を使いメタンを合成するサバティエ反応メタネーションの変換効率は55~60%である。最近は、水(H2O)とCO2を原料とし、電気化学反応により80℃程度のPEM型メタネーションで変換効率70%超、800℃程度のSOEC型メタネーションにより変換効率85~90%をめざす開発などが行われている。