エネルギー

火力発電

普及率1%に達した定置用燃料電池(Ⅱ)

2009年5月、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス、新日本石油(現ENEOS)、アストモスエネルギーの6社が、PEFC型「エネファーム」の販売を開始した。2012年4月、大阪ガスはアイシン精機、京セラ、長府製作所、トヨタ自動車と共同開発したSOFC型「エネファームtype S」の販売を開始した。2024 年1月、エネファーム普及推進協議体「エネファームパートナーズ」は、「エネファーム」の累計販売台数が50万台を突破したと発表。発売から15年を経て、累積販売台数が50万台を突破したことはめでたいことである。しかし、国内の一般世帯総数は4885万世帯(2020年度)であり、普及率は1%に留まる。
火力発電

普及率1%に達した定置用燃料電池(Ⅰ)

国内で1970代に始まった燃料電池の研究開発成果は、約30年を経た2009年5月に、世界に先駆けた固体高分子型燃料電池(PEFC)型「エネファーム」の一般発売の開始として実を結んだ。2024 年1月、PEFC型とSOFC型「エネファーム」の累計販売台数が、50万台を突破したと報じられた。一般販売開始後に15年をかけて累積販売台数が50万台を突破したのである。しかし、国内の一般世帯総数4885万世帯(2020年)に対する普及率は1%に留まる。本当に、導入は順調に進んでいるのであろうか?
再エネ

ベロブスカイト型太陽電池の問題点?(Ⅲ)

開発段階で日本が先行した次世代太陽電池のペロブスカイト型太陽電池(PSC)であるが、量産への投資に消極的な日本企業を尻目に中国企業が量産工場を相次いで稼働させている。シリコン系太陽電池の二の舞を演じて、日本は同じ失敗を繰り返すことになるのか? 
再エネ

ベロブスカイト型太陽電池の問題点?(Ⅱ)

2012年7月にFIT法が導入されて以降、太陽光発電の急速な伸びが報道された。しかし、急速なFIT買取価格の引き下げと、電力貯蔵システムの遅れによる出力制御の問題が多発し、国内での太陽光発電の導入量は徐々に鈍化している。PSCの開発は、国内での太陽光発電の導入拡大が目的なのか?安価なシリコン系太陽光パネルで世界を席巻した中国メーカーからのシェア奪還なのか?二兎追うものは、一頭も得ず!
再エネ

ベロブスカイト型太陽電池の問題点?(Ⅰ)

最近、シリコン系太陽電池の変換効率20%を超えたことで、ペロブスカイト型太陽電池(PSC:Perovskite Solar Cell)への関心が急速に高まり、世界中で研究開発が進められている。安価なシリコン系太陽電池で世界を席捲している中国メーカーは、再び量産化で先行する気配が見えてきた。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅹ)

合成燃料(e-fuel)の普及のための最大の課題は低コスト化にある。特に、原料である再生可能エネルギー水素の低コスト化が不可欠で、遅れている再生可能エネルギーの導入が問題である。再生可能エネルギー電力の低コスト化が進めば、水電解で製造するグリーン水素の低コスト化も進む。合成燃料の製造プロセスは、原料も含めて国内で全て調達することが可能である。従来のように安易に海外から安価な水素の輸入を選択せずに、将来に向け国内製造による自給率の向上をめざす転機である。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅸ)

新興企業を中心に、欧州で73件、南北アメリカで24件の合成燃料の製造プロジェクトが始動している。出遅れた日本は、早急なキャッチアップが必要である。2024年3月末時点で稼働しているのは、欧州で5件(英国のZero Petroleum、アイスランドのCRI、ドイツのFairfuels、CAC、P2X-Europe)、南北アメリカで3件(チリのHIF Chile、米国のDimensional Energy、Infinium)としており、航空機や船舶向けの燃料製造計画が先行している。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅷ)

石油会社を中心に合成燃料(e-メタノール)の開発が進められている。e-メタノールからは、合成ガソリンや航空機燃料SAFに加工することができる。一方、ガス会社を中心に合成燃料(e-メタン)の開発が進められている。e-メタンは都市ガスとほぼ同組成であり、都市ガス導管に直接注入できる。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅶ)

航空機分野では、持続可能な航空機燃料(SAF)の導入によるCO2削減効果が最も大きく、全体の60~70%を占めると推計されている。今後、経済安全保障の観点からも、SAFの国内生産、サプライチェーン構築により、安定的に需要量を供給できる体制の整備が必要である。 しかし、2050年時点のSAFの想定必要量は、国内で2,300万kL/年、全世界では5.5億kL/年と推計されており、バイオ燃料だけでは原材料の確保に限界があり、合成燃料の安定供給が不可欠と考えられている。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅵ)

外航船舶各社は、移行期における低炭素燃料としてLNG燃料船の導入を進めている。合成燃料(e-fuel)への転換の検討は始まったばかりであるが、LNG燃料船は将来的に合成燃料(カーボンリサイクルメタン、e-メタン)への転用が可能である。また、内航海運では、2030年度のCO2排出量を約17%削減(2013年度比)を目標とし、省エネと代替燃料(アンモニア、水素)の活用を推進している。