
期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅰ)
運輸部門におけるCO2排出量の削減には輸送効率の改善が重要で、航空機、自家用乗用車、バス、自家用貨物車が対象となる。中でも長距離用のバスや自家用貨物車、EV化やFCEV化が困難な航空機については、液体燃料の脱炭素化(バイオ燃料、合成燃料)が選択肢の一つと考えられる。自動車用バイオ燃料➡航空機用SAF➡合成燃料(e-fuel)へと代替燃料の話題が急速に移行している。当初、合成燃料は電動化が難しい航空機や船舶向けが本命と考えられていたが、欧州連合(EU)の新方針を契機に、自動車での合成燃料の需要拡大を見込んだ開発競争が始まっている。