太陽光発電

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世界で進む太陽光発電の現状(Ⅲ)

日本の太陽光発電が進むべき方向:●2016年から国内導入量が5GW(500万kW)/年に鈍化し、2024年度には3.1GWに下落。「カーボンニュートラル2050」を実現するためには、「FIT買取価格の適正化」や「促進区域の設定」など導入再加...
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世界で進む太陽光発電の現状(Ⅱ)

2023年、世界の太陽光発電の年間導入量は456GWに達した。世界的に見て太陽光発電の導入量は順調に伸びている。1位は中国で235GWと断然トツプ、2位が米国で33.9GW、3位がドイツで15GWである。一方、2012年のFIT制度開始前の日本の累積導入量は5.6 GWであったが、FIT制度により年間導入量は増加し、2014年度には9.4GWに達した。しかし、その後は導入量が減少し、2023年には3.1GWまで低下した。日本の太陽光発では明らかに鈍化傾向にある。
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世界で進む太陽光発電の現状(Ⅰ)

2024年の太陽光モジュール出荷量の国別シェアの1位は中国で全世界出荷量の83%を占めた。2位はマレーシア、3位はベトナムである。ただし、マレーシアの生産能力の約80%は中国企業が占め、残りは米国のファースト・ソーラーと韓国のハンファQセルズである。中国が世界の太陽光サプライチェーンを支配することに脅威を感じる国々は、何らかの対策を講じているが、日本の対策は見えてこない。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅶ)

FIT制度が導入された2012年の太陽光発電の発電電力量の年平均伸び率は78.3%と異常に高い値を示した。しかし、買取価格の引き下げと共に、2014年以降の年平均伸び率は51.3%、31.6%、20.3%、13.8%、10.7%、14.0%、8.8%、7.5%、2023年は4.2%と明らかに導入は鈍化傾向を示している。仮に4.2%の年平均伸び率をキープできても、2030年には1290億kWhと予測される。これは、第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の14~16%とする太陽光発電の電力量目標(1302~1504億kWh)の86~99%に留まる。ただし、年平均伸び率は年々低下してきており、現時点では太陽光発電も2030年の発電電力量の目標値はクリアできないと予測できる。
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なぜ?再燃する宇宙太陽光発電(Ⅴ)

宇宙太陽光発電(SSPS)には、膨大な資金が必要となるのは必定である。日本だけでSSPS衛星を開発・運用することは困難であり、宇宙開発で先行する米国や欧州との国際協力が基本である。夢の核融合炉と同じで、実現するためには10年、20年先を見据えた研究開発が必須である。まだまだ長期間にわたる地道な努力と投資が必要なのである。今回を一過性のブームとしないために、コア技術の多用途展開を図る必要がある。無線給電技術は民生でも重要である。
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なぜ?再燃する宇宙太陽光発電(Ⅳ)

2022年11月、ESAはSSPSの実現可能性を本格的に調査するプロジェクト「SOLARIS(ソラリス)」をスタートさせた。また、2021年には英国を拠点とするエネルギー、宇宙、材料、製造の研究・企業連合「Space Energy Initiative」が設立され、「CASSIOPeiA」計画が推進されている。 中国では宇宙技術研究院(CAST:Chinese Academy of Space Technology)を中心に、SSPS研究が推進されている。
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なぜ?再燃する宇宙太陽光発電(Ⅲ)

2000年代には地球温暖化問題を背景に、米国防総省(CNN)が宇宙太陽光発電の開発に乗り出している。 2019年には空軍研究所(AFRL)が、海軍調査研究所(NRL)、ノースロップ・グラマンと共同で1億ドルの予算で「SSPIDR(スパイダー、Space Solar Power RF Integrated Tile Experiment)」プロジェクトを開始した。電力インフラがない戦場の部隊やシスルナ(地球と月との間)空間を移動する衛星への電力供給をめざしている。
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なぜ?再燃する宇宙太陽光発電(Ⅱ)

米国でのSSPSの研究が下火になった1980年代以降、 日本では京都大学がSSPS研究をリードし、1983年にロケットを使って宇宙空間でのマイクロ波送電に世界で初めて成功した。 マイクロ波送電技術は、離島や山中への送電手段としても有効であり、電力会社でも研究が始められ、パナソニック、東芝、TDK、ペースパワーテクノロジーズ、米国オシアなども参画している。無線給電により工場で稼働するセンサー、スマホやウエアラブル端末、ドローンなどの電池交換が不要になるため、IoTの生産設備への導入加速が狙いである。
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なぜ?再燃する宇宙太陽光発電(Ⅰ)

 「夢の発電」といわれながら、これまで何度もブームが到来している宇宙太陽光発電(SSPS:Space Solar Power Systems)が、ここにきて世界的に“再起動”していると報じられた。日本が長年にわたり研究開発をリードしてきたが、ここ数年、欧米などで1億ドル(約140億円)規模の予算をかけた大規模研究開発プロジェクトが複数開始されている。一例として2022年11月、欧州宇宙機関(ESA)はSSPSの実現可能性を本格的に調査するプロジェクト「SOLARIS(ソラリス)」をスタートさせている。
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太陽光パネルメーカーの動向(Ⅴ)

2012年7月、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)」が導入されて以降、太陽光発電の急速な伸びが報道されてきた。しかし、その後の急速なFIT買取価格の引き下げにより、認定量が激減した結果、国内導入量が5GW(500万kW)/年に鈍化している。日本はエネルギー自給率が12.1%と低い。エネルギー自給率を上げるためには、再生可能エネルギーの導入が有効であり、その旗頭である太陽光発電の拡大は必須であり、電力貯蔵技術の実用化、送電網の拡充などを同時並行で加速する必要がある。