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自動車の未来予測

 ゼロエミッション自動車の実現に向け、現行の蓄電池性能の観点から、ガソリン車・ディーゼル車はハイブリッド車(HEV)を経て、小中型車(小型バス、小型トラックを含む)は電気自動車(BEV)に向かい、バス・トラックなどの大型車は燃料電池車(FCEV)化の方向が見えてきた。超大型車に関しては、水素エンジン車の可能性があるが、性能と経済性の両面から燃料電池車との比較が必要である。
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運輸の「2024年問題」について(Ⅱ)

2023年10月、遅ればせながら、政府は「2024年問題」の緊急対策として、輸送手段を鉄道やフェリーなどに転換する「モーダルシフト」を進めることが報じられた。トラック輸送の代替手段を充実させて、運転者の負担軽減を図りつつ、2050年カーボンニュートラルを目指す。 政府は「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめた。具体策は10月末までに岸田政権がまとめる経済対策にも盛り込まれ、2024年の通常国会での法制化を目指す。
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運輸の「2024年問題」について(Ⅰ)

働き方改革関連法で、2024年4月から、自動車運転手の時間外労働の上限が年間960時間となる。労働時間が減ることで人手不足がますます深刻化し、都市部でもバス会社が路線の廃止や減便を余儀なくされている。また、物流業界でもトラック輸送量の大幅な減少が懸念されている。「2050年カーボンニュートラル」を実現しつつ、懸念される「2024年問題」を乗り切るための方策はあるのか?
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燃料電池バスの開発状況

2018年3月、大型FCバス「SORA」の型式認証をFCバスとして国内で初めて取得し、販売を開始した。今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバス導入が予定されていることも、併せて公表した。価格は1億円/台である。FCバスに関しては、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピック対応もあり、2020年の目標である100台はクリアし、2023年2月時点で124台に達している。しかし、2030年の目標である1200台の普及の見通しは立っていない。
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燃料電池トラックの開発状況

改定された水素基本戦略では、「今後は乗用車に加え、より多くの水素需要が見込まれ 燃料電池車 の利点が発揮されやすい商用車に対する支援を重点化していく。官民協議会での議論を通じて FC トラック等の生産・導入見通しのロードマップを作成する。」と方針が示された。2020年代に入り、国内外での主要なFCトラックメーカーの動きが活発化しており、物流関連企業を巻き込んでの大規模実証走行が開始されていることが背景にある。
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進まない?水素ステーション

日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)によれば、2020年の設置目標の160カ所はクリアし、2023年3月現在、全国で運用されている水素ステーションの数は179カ所に達している。ただし、2025年の設置目標の320カ所を達成するには、一層の努力が必要である。水素ステーションの設置は37都道府県にわたり、稼働中は167カ所である。内訳は首都圏:54カ所、中京圏:51カ所、関西圏:20カ所、九州圏:15カ所、その他:27カ所で、今後も四大都市圏とそれらを結ぶ幹線沿いを中心に整備される予定である。
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燃料電池自動車の開発現状

国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年の燃料電池車普及台数は前年比40%増加して世界で7.21万台に達した。国別シェアは首位が韓国で41%で、2位米国(21%)、3位中国(19%)、残念ながら商品化で先行したは日本(11%)は4位で、5位ドイツは日本の約1/3に留まる。 また、燃料電池車の普及台数の約80%は普通乗用車(FCEV)で、10% がFCトラック、10% 弱がFCバスである。2022年には、FCトラックはFCEVやFCバスを上回るペースで成長し、60%増加する。
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電動バスは売れるのか?(Ⅱ)

EUを中心に環境規制が強化され、既に、欧米中でのEVバス需要は高まっている。今後、世界的に見て都市部を中心にEVバスの普及は拡大する。しかし、国内では大手バスメーカーの市場投入が遅れたことで、安価な中国系メーカーのEVバスの普及が進んでいるのが現状である。 EVバスは都市部の市内循環に始まり、蓄電池の性能向上に合わせて中・長距離運行用のEVバス/充電スタンドの整備が進であろう。
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電動バスは売れるのか?(Ⅰ)

バスなどの大型商用車には電動バス(EVバス)よりも燃料電池バス(FCバス)が適しているとして、経済産業省などが2017年に発表した水素基本戦略では「FCバスは2020年度までに100 台程度、2030 年度までに1200台程度の導入」の目標を掲げた。しかし、世界市場はFCバスではなく、電動バス(EVバス)が席巻している。国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年に販売されたBEバスは約9万台で中国と欧州が先行している。2030年には300万~500万台に増加し、バス全体の16%ほどを占めると予想している。
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EV充電時間の短縮を目指して(Ⅱ)

現在、世界のBEV急速充電器には、「日本のCHAdeMO(チャデモ)」、「中国のGB/T」、「EUと北米のCCS(コンボ)」、「テスラのスーパーチャージャー」の4規格が存在する。それぞれコネクタと車側インレットの形式、BEVと急速充電器間の通信方式に特徴がある。各規格にはそれぞれの開発経緯があるため、今後、急速に規格の統一が進むことはないであろう。