無人自動運転車の開発現状(Ⅳ)

自動車

 2018年5月、欧州委員会は完全自動運転社会を2030年代に実現する新ロードマップを発表。2020年代に都市部での低速自動運転を可能にし、2030年代に完全自動運転が標準となる社会を目指す。欧州の無人自動運転車の開発はドイツとフランスが牽引している。

欧州の開発動向

 2016年4月、欧州連合は自動運転分野の協力に関する「アムステルダム宣言」で、2019年までに自動運転の実用化や導入に関する欧州統一の枠組み構築を目指し、欧州共通の戦略を策定するとした。加盟各国は国連欧州経済委員会と連携し、国内法の採択、国境間を超えた大規模実証実験を行う方針である。

 2018年5月、欧州委員会は完全自動運転社会を2030年代に実現する新ロードマップを発表。2020年代に都市部での低速自動運転を可能にし、2030年代に完全自動運転が標準となる社会を目指す。

ドイツ

 2017年6月、自動運転技術の妨げとなる法的障害を除去した改正道路交通法が施行された。自動運転車の公道での自動運転を実現できるよう、運転者が一定の条件下でシステムに車両操縦を任せられる新規定が盛り込まれた。
 2021年6月、レベル4自動運転が可能となる法律を世界で初めて施行し、公道でのレベル4自動運転を可能にする「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」を成立させた。

フォルクスワーゲン

 2018年6月、フォルクス・ワーゲン(VW)が米国フォードとの自動運転の提携を開始。同年7月には通信用半導体開発の米国Aquantia(アクアンティア)とNVIDIA(エヌビディア)、ドイツのボッシュとコンチネンタルと業界団体「NAV Alliance」を発足した。

 2022年10月、フォルクスワーゲン・グループが自動運転技術に関する方針を公表した。同年2月に発表したボッシュとの自動運転用ソフトウエア開発を進め、2023年に都市部と郊外、高速道路での自レベル2動運転での走行、加えて高速道路でのレベル3自動運転を目指すとした。
 また、中国では、北京地平線機器人技術研発(Horizon Robotics)との協力を進める。

BMW

 インテルやモービルアイなどのパートナー企業と自動運転技術の開発を進めており、2017年頃から、高速道路での渋滞時に運転者の負荷を軽減し安全に寄与する運転支援システム「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」の実装を進めた。

 2018年3月、BMWグループダイムラーは、自動運転サービス提供に関する協力を発表し、2019年2月にカーシェア、ライドヘイリング、パーキング、チャージング(充電)、マルチモダリティの5合弁会社を設立した。
 2019年3月、自動運転の共同開発を行うと発表し、同年7月に戦略的長期提携を締結した。その後、運転支援システム、高速道路での自動運転、自動駐車などの共同開発を発表したが、2020年6月、協業を成功させる適切な時期ではないとし、個別に開発を進めることを公表した。

 2022年2月、4 ドア・クーペEV「BMW i4(アイフォー)」の販売を開始した。BMW i4 には、国内認可取得モデルとして初めて導入した「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」が搭載された。

メルセデス・ベン

 2023年1月に米国ネバダ州、2023年6月には米国カリフォルニア州で、レベル3自動運転システム「ドライブ・パイロット」が許可を取得した。高速道路での使用を目的に、自動運転システムの標準生産車への導入許可を取得した最初の自動車メーカーである。
 「ドライブ・パイロット」は米国市場で、2024年モデルである「Sクラスセダン」と「EQSセダン」にオプションとして提供され、2023年後半以降に顧客に引き渡される予定である。

フランス

 2019年12月、人や物の移動を最適化するモビリティ基本法、いわゆるMaaS(Mobility as a Service)法が可決・公布され、円滑な交通社会を構築する過程で自動運転車導入の検討が始められた。

 2022年9月、レベル3自動運転での公道走行が、一定条件下で解禁された。歩行者や自転車の通行が禁止されている中央分離帯のある高速道路で時速60km/hを限度に、渋滞時に自動車線維持装置(ALKS)による自動運転を可能とした。ただ、運転者は常に運転に戻れる状態でなければならない。

NAVYA

 2014年設立のスタートアップNAVYA(ナビヤ)は、完全自動運転タクシー「AUTONOM CAB(オートノムキャブ)」を開発し、2018年に製品化した。ハンドルやブレーキがない6人乗りの車両で、ライダー、カメラ、レーダーなどで周囲を監視し、非常停止ボタンや緊急時のハンドブレーキなどを備えている。

 2021年1月、日本でマクニカが無人運転シャトルバス「NAVYA Evo(ナビヤエヴォ)」の販売を開始した。NAVYA Evoは、2021年12月時点で25カ国において200台以上が販売されている。
 しかし、2023年4月、NAVYAはGaussinによる事業の一部買収と清算が行われ、上場廃止を発表している。

 NAVYAの完全自動運転タクシー「AUTONOM CAB」 出典:NAVYA

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