無人自動運転車の開発現状(Ⅱ)

自動車

 日本の国土交通省はユーザーが自動運転車の機能を過信せず正しく理解し、適切な運転が行えることを目的として、自動運転レベル0~5の呼称を策定している。
 レベル1~2は運転操作の主体が運転者であるが、レベル3~5になると運転の主体が自動運行装置に移るためレベル3以上が自動運転である。2021年3月、レベル3(高速道路での自動運転車)「レジェンド」を本田技研工業が販売開始したことで、日本の自動運転時代が始まった

自動運転のレベル

 自動運転は、運転支援システムを含めてどの程度の自動運転が可能かという技術水準によりレベル分けされている。米国自動車技術会(SAE:Society of Automotive Engineers)が、2014年1月に発表した6段階のレベル表示が主流となっており、各国で広く採用されている。

 日本の国土交通省はユーザーが自動運転車の機能を過信せず正しく理解し、適切な運転が行えることを目的として、自動運転レベル0~5を策定している。ただし、自動運転レベル0は「自動運転を実現するための技術(運転自動化技術)が何もない状態」と定義されている。

表1 自動運転レベルの概要  出典:国土交通省

 自動運転レベル1は、「アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態」と定義され、運転操作の主体は運転者であり、対応車両は運転支援車と呼ばれる。

 自動運転レベル2は、「アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態」と定義され、運転操作の主体は運転者であり、対応車両は運転支援車と呼ばれる。

 自動運転レベル3は、「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」と定義され、対応車両は条件付自動運転車(限定領域)と呼ばれる。ただし、運転者は自動運行装置の作動中も直ちに運転操作を代われる状態でなければならない。
 自動運転システムが作動する走行環境条件(ODD:Operational Design Domain)下で、アクセル・ブレーキ操作やハンドル操作を自動運行装置が担う。

 自動運転レベル4は、「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」と定義され、運転操作の主体は自動運行装置で、対応車両は自動運転車(限定領域)と呼ばれる。

 自動運転レベル5は、「自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」と定義され、運転操作の主体は自動運行装置で、対応車両は完全自動運転車と呼ばれる。

国内の自動運転の現状

 レベル1~2は運転操作の主体が運転者であるが、レベル3~5になると運転の主体が自動運行装置に移るためレベル3以上が自動運転である。2021年3月、レベル3(高速道路での自動運転車)「レジェンド」を本田技研工業が販売開始したことで、日本の自動運転時代が始まった

図3 本田技研工業のレベル3対応「LEGEND(レジェンド)」のセンサー配置
出典:本田技研工業

 今後の目標を、政府は2025年度を目途に、高速道路でのレベル4の実現、普及拡大に置いている。また、2027年度までにレベル4を全国100カ所で実現するとした。

図4 自動運転技術の現状と目標(2023年5月) 出典:国土交通省

 2022年10月、警察庁は特定条件下での自動運転「レベル4」の運行許可制度を盛り込む改正道路交通法を2023年4月1日から施行すると公表。人口減が進む地域での遠隔監視による特定ルートの無人走行バスなどを想定し、政府は2025年度を目途に全国40カ所に拡大する目標を掲げた。
 レベル4相当の自動運転を特定自動運行と定義し、移動サービスを始める場合、都道府県公安委員会に運行計画を提出し事前許可を受け、安全運行の確認や事故対応などのため車両内か遠隔監視場に特定自動運行主任者の配置が義務付けられた。

 2023年3月、国土交通省中部運輸局は、福井県永平寺町の「永平寺参ろーど」のうち約2kmを運行する車両を、全国で初めて道路運送車両法に基づき自動運転車(レベル4)と認可した。自動運転の継続が困難な場合(故障、天候の急変など)には安全に運転を停止する。
 ヤマハ発動機製の電動カートを産業総合研究所が改造して自動運転機能を追加し、道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら時速12kmで走行する。2023年4月1日より改正道路交通法に基づく許可を得て、運転者なしで自動運転移動サービスを開始した。

 2023年10月、「永平寺参ろーど」の荒谷停留所から志比停留所に向け運行中、自動運転車が人が乗っていない自転車と接触した。接触事故によるけが人はなく、原因究明と対策を施し、安全対策が確認できるまで自動運転の運行を中止した。
 同年11月、事故の最大の原因は自動ブレーキを作動させるための学習用データの不足であることが判明し、再発防止対策を講じた上で、2024年3月以降の運行再開が予定されている。

図5 レベル4認可された福島県永平寺町が運行する車両
出典:国土交通省

 2024年1月、茨城県つくば市は、自動運転バス導入に向け初の実証実験を始める。KDDI、筑波大学、関東鉄道、自動運転用高精度地図のアイサンテクノロジー、自動運転ソフトのティアフォー、損害保険ジャパンとSOMPOリスクマネジメントなどと協力し、実用化に向けた課題を検討する。
 筑波大学周辺の1周約4kmのルートで、1月19〜30日の平日、オペレーターが乗り込み、状況に応じて手動運転に切り替える「レベル2」の自動運転バスを1日7便運行する。10人乗りEVバスは、センサーで安全を確認しながら20km/h未満で走る。事前に利用者を公募し、無料で乗車できる。

  一方、米国や中国ではレベル4相当の自動運転車が登場している。米国アルファベット傘下のWaymo(ウェイモ)や中国インターネット大手の百度(バイドゥ)などは、無人自動運転タクシーを実用化している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました