2010年代のFCEVとBEVの開発競争(Ⅺ)

自動車

電気自動車用充電インフラの種類

 当然のことであるが、BEV普及のためには安心して走行できる充電インフラの整備が不可欠である。表3に示すように、設備は大きく「普通充電設備」「急速充電設備」の2 種類に分類できる。

表3 EV用充電インフラ(普通充電設備、急速充電設備)の種類
出典:経済産業省 EV・PHVプラットフォーム

 普通充電設備は、住宅にも一般に施設されている単相交流の電力を利用して、長時間かけて充電する方式である。この普通充電設備は100Vコンセント200Vコンセントポール型普通充電器(200V)に大別できる。
 単相交流100Vの場合は1時間の充電で約10km程度の走行が可能で、200Vを使用した場合は30分の充電で約10km程度の走行が可能となる。
 ポール型普通充電器は、コンセント型(ケーブル無し)の充電器とケーブル型の充電器の2種類がある。コンセント型充電器では、コンセントの種類により充電できる車種が限られる場合がある。また、ケーブル型のポール型普通充電器では、充電できない車種がある。

 一方、急速充電設備は3相200Vが使用され、出力:50kWの充電器が一般的であり、5分間で約40km程度の走行が可能である。緊急時(バッテリー残量がほとんど無い場合)、業務用で車両を頻繁に利用する場合などの利用が想定され、高圧供給による契約が必要となる場合が多く見られる。

充電インフラの整備事業

 2008 年には経済産業省が「EV・PHV タウン構想」プロジェクトを立ち上げた。これは特定の地域に集中的に充電インフラを整備し、BEV及びPHEVの普及を目指すものであり、全国で18 自治体が選定されており、これまで各地域でインフラ整備が精力的に行われてきた。

 2012 年度補正予算で,「次世代自動車充電インフラ整備事業」として 1005 億円の大型予算が設定され、2014年3月までに普通充電・急速充電合わせて約 11 万基の設置を目指した。この補助制度では充電インフラ整備事業者に対して本体のみではなく、工事費に対しても最大2/3の補助が実施された。

 2014年 5 月には自動車メーカー4社(トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車)が、充電インフラ整備の支援を行うため、日本充電サービス(株)(NCS)を設立した。NCSは様々な条件があるが、政府の2/3の補助の残り部分と運用に係る費用の支援を行った。

 2014年度補正予算で、「次世代自動車インフラ整備促進事業」として300億円の予算が設定され、全国の道の駅へのEV充電器設置が進められた。

 2019年10月には、東京電力HDと中部電力が充電インフラ整備の支援を目的に(株)e-Mobility Powerを設立していたが、2021年4月にはNCSから充電サービス事業などを承継した。

 しかし、2021年2月の時点でのEV充電スタンドの数は、全国で約3万基ほどに留まり、そ内訳は急速充電器が約7,950基、普通充電器が約2万1,700基であった。

 さらに2021年度補正予算で、「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」として65億円の予算が設定された。これまで急速充電は、高速道路SA/PA、道の駅、SS、空白区域(15km圏内に充電器なし)が対象であったが、今般から、個人宅以外は、原則、全てのエリアが対象となる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました