中部電力は、当然守らなければならないルールを無視し、原子力規制委員会向け安全審査でデータを意図的に操作sした。あり得ない「犯罪行為」であり、原発への信頼性を大きく棄損した。原子力規制委員会は浜岡原発3,4号機の再稼働に必要な安全審査を白紙に戻すと表明した。
中部電力浜岡3,4号機の再稼働問題
2009年1月、運転期間が30年以上を経過し、将来起きる可能性の高い「南海トラフ地震」への安全対策費を勘案して、浜岡第1(BWR、出力:54万kW)と浜岡第2(BWR、出力:84万kW)は営業運転を終了し、11月に廃止措置を決定した。2042年度の廃炉に向け2025年から解体を進めている。
2011年5月、福島第一原発事故に端を発し、政府要請で浜岡原発を全面停止する。2014年2月に浜岡原発4号機(BWR、113.7万kW、1993年9月運開)、2015年6月に3号機(BWR、110万kW、1989年8月運開)の再稼働をNRAに申請した。5号機(BWR、138万kW、2005年1月運開)の再稼働は未申請である。
将来に想定される「南海トラフ地震」の震源域に浜岡原発は位置しており、地震対策と津波対策に関しては、他原発に比べてより厳しい対策とその審査が必要とされている。
2025年11月、浜岡原発の工事で正式な契約変更と精算手続きを怠る不適切事案が判明したと発表。2013年~2019年で20件に上り、うち7件の未清算額が数十億円に達する。この責任を取り原子力本部長(副社長)と執行役員が辞任した。何故、この時期に唐突に?
浜岡原発は、2013年に導入された「新規制基準」により安全対策工事に仕様の変更が生じる。この工事に本来必要な手続きを怠り、契約を担当する調達部門の関与がないまま、2013年2月に原子力部門が仕様変更を取引先に依頼し、2019年5月には取引先から契約変更と清算を求められた。
2026年1月、2019年1月の浜岡原発再稼働に向けた原子力規制委員会(NRA)の審査で、データを操作して説明した疑いが公表された。原発の耐震設計の目安となる基準地震動の策定で、都合の良いデータを意図的に選定して過小評価した疑いで、十数人が関与し問題を指摘する声が社内でも上がっていた。
原子力規制庁によると、2025年2月に外部から不正ありとの情報提供があり、中部電力に調査を依頼した。中部電力は2025年12月に不正行為を報告し、ガバナンス(企業統治)不全が露呈した。
NRAは浜岡原発3,4号機の安全審査を中断し、早期の再稼働はとん挫した。中部電力に事実関係に関する資料提出を求める「報告徴収命令」を発出し、中部電力本店の立ち入り検査などの調査が始まる。

当然守らなければならない社内ルールを無視し、NRA向け安全審査でデータを意図的に操作するなどあり得ない「犯罪行為」を行い、中部電力は原発への信頼性を大きく棄損した。
外部からの情報提供をNRAが受けてから、中部電力がNRAに不正行為を認めるまで10カ月も要している。その間に、別件で原子力事業本部に2人の役員が辞職した。この経緯から観て、まだまだ中部電力の原発再稼働では新たな問題が出てくる可能性が高い。
中部電力の不正行為を見抜けなかった点は「NRAの大失態」である。原発事故のリスクの重大性を考えると、電力会社から提出されたデータを鵜吞みにする現在の審査方法を再考する必要がある。他原発でも同じことが起きていないか?NRAへの信頼性も大きく棄損された。

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