
日本の高速炉の開発現状(Ⅳ)
エネルギーの安定供給確保は重要な政策課題であるが、核燃料サイクルは、国ごとのエネルギー事情により独自の政策が進められている。米国は一度は開発を中止したが、その後、核燃料サイクルに再び着目し高速炉開発を推進している。フランス、ロシア、中国、インドは、積極的に高速増殖炉の開発を進めている。一方で、英国、カナダ、ドイツ、フィンランド、スウェーデンなどは技術的な難易度、莫大な開発費用から、経済性が見出せないとし、使用済み燃料を直接処分する方針を打ち出している。現状ではウラン燃料の価格が安く、核燃料サイクルによるプルトニウム燃料での発電が高価となるためである。