2050年カーボンニュートラル(Ⅳ)

はじめに

家庭・オフィス関連の成長戦略

 国内のCO2排出量の10%を占める業務・家庭部門の脱炭素化も重要であり、⑫住宅・建築物産業・次世代電力マネージメント産業⑬資源循環関連産業⑭ライフスタイル関連産業がリストアップされている。

住宅・建築物産業・次世代電力マネージメント産業

 住宅・建築物は、民生部門のエネルギー消費量削減に大きく影響する。カーボンニュートラルと経済成長を両立させる高度な技術を国内に普及させる市場環境を創造し、海外への技術展開を目指す。
 今後、住宅・建物についても省エネ基準適合率の向上に向けて更なる規制的措置の導入を検討し、非住宅・中高層建築物の木造化を促進する。

 次世代電力マネージメントは、高度な予測・運用・制御手法の活用・展開により再エネ大量導入系統混雑問題等への効果的な対応を推進する。
 今後、太陽光や風力などの変動性が大きい再エネとEVや蓄電池を組み合わせた、電力需給の最適化サービスを提供する新たなビジネスを促進し、太陽光併設の家庭用蓄電池価格を2030年度で7万円/kWhを目指す。また、長距離直流送電システムの計画的・効率的な整備を目指す。

図6 電力システムの将来像 出典:経済産業省

資源循環関連産業

 「バイオプラスチック導入ロードマップ」を踏まえ、更なる再生利用拡大に向けた、バイオマス素材の高機能化や用途の拡大・低コスト化に向けた技術開発・実証を推進し、リサイクル技術の開発・高度化、設備の整備、需要創出等を目指し、 2030年までにバイオプラスチックを約200万トン導入する。

 リサイクル性の高い高機能素材やリサイクル技術の開発・高度化、回収ルートの最適化、再生利用の市場拡大を推進し、 廃棄物処理施設からCO2等を回収しやすくするための燃焼制御等の技術開発や実証事業等を通じてスケールアップ、コスト低減等を図り、実用化・社会実装を目指す。

 低質ごみからの高効率エネルギー回収を確保するための技術開発、焼却施設から遠方の利用施設に熱供給を行うための蓄熱や輸送技術の向上・コスト低減を促進し、今後のごみ質の大きな変化に伴うメタン化施設の大規模化を見据え、廃棄物の広域的な処理や廃棄物処理施設の集約化を目指す。

ライフスタイル関連産業

 住まい・移動のトータルマネジメント(ZEH・ZEB需要側の機器(家電、給湯等)地域の再生可能エネルギー動く蓄電池となるBEV/FCEV等の組み合わせを実用化)、ナッジやシェアリングを通じた行動変容、CO2削減のクレジット化等を促す技術開発・実証、導入支援、制度構築等に取り組む。

 以上の「2050年カーボンニュートラル」を実現するための政府の実行計画は、政府が有識者会議などを通じて現時点で可能な限り具体化した見通しを示したものである。
 企業の野心的な挑戦を後押しすべく2兆円のグリーンイノベーション基金が準備され、NEDOが2021年度から10年間の計画で、技術開発から実証・社会実装まで継続して支援する計画で、2023年時点で、次の17件の開発プロジェクトが進行中である。
 「大規模水素サプライチェーン構築」、「燃料アンモニアサプライチェーン構築」、「水電解装置」、「水素燃料船」、「アンモニア燃料船」、「水素航空機」、「ベロブスカイト型太陽電池」、「洋上風力低コスト化」、「水素還元製鉄」、「プラスチック原料製造」、「コンクリート製造」、「CO2分離回収」、「次世代蓄電池とモーター」、「自動運転」、「スマートモビリティー」、「次世代パワー半導体」、「グリーンイノベーション調査」

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