2026年1月21日、東京電力は柏崎刈羽原発6号機を約14年ぶりに再稼働させた。しかし、翌22日に制御棒を引き抜く操作中に異常を知らせる警報が鳴り、制御棒を炉心に戻して原子炉を停止させた。
柏崎刈羽6号機は約14年ぶりの再稼働で、東京電力も原発メーカーも世代交代が進み多くの技術がブラックボックス化している。安全第一で再稼働を焦ることなく、真の信頼を回復するための一里塚とする余裕が必要である。
東京電力HD柏崎刈羽原発6号機の再稼働
2025年11月21日、東京電力HDの柏崎刈羽原発の再稼働について、新潟県の花角英世知事は条件付きでの容認を表明した。

2026年1月17日、東京電力は、柏崎刈羽原発6号機の再稼働試験中、核分裂を抑える制御棒の警報装置が鳴らない不具合が起き、原子力規制委員会に報告。制御棒の引き抜き防止機能の確認試験で、制御棒1本を引き抜いた状態で他の制御棒を引き抜く場合に鳴るはずの警報が鳴らなかった。
翌18日、全205本の制御棒のうち88本は1996年の運転開始時から設定を誤っており、システムの設定を修正したところ警報が鳴るようになり、「安全上、重大なトラブルではない」として警報装置の動作を確認する作業が1~2日で終わる見通しを示した。
2026年1月21日、柏崎刈羽原発6号機で全205本の制御棒のうち26本の引き抜きを開始し、約14年ぶりに再稼働させて臨界に達した。しかし、翌22日に計52本の引き抜き後に、次の26本を引き抜く操作中に異常を知らせる警報が鳴った。
東京電力は制御棒を操作・監視する盤内にある電気部品を交換したが、状況は改善されなかったため、原因調査に時間がかかると判断し、制御棒を炉心に戻し、原子炉を停止させた。
2026年1月31日、柏崎刈羽原発の営業運転を前に、地域住民の不安解消が高まっている。柏崎刈羽原発の半径30km圏内に40万人以上が居住し、事故に備えた避難体制整備は最優先だが豪雪など複合災害時の実効性は不透明。北海道電力の泊原発が立地する北海道も、避難計画の見直しを進める。
県と国は原発から6方向に延びる高速道や県道を幹線避難路と位置づけているが、既に橋梁の耐震不足など計90カ所の改善点があり、改修に1000億円以上を要して国が負担する。しかし、用地買収が必要な区間は工事完了まで10年以上を要するが、それを待たずに原発再稼働は進められている。
2026年2月、柏崎刈羽原発6号機で制御棒に関する警報が鳴り原子炉を停止させた問題について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「安全上極めて重要な問題だという認識ではない」と述べ、原子炉停止の東京電力の判断は「立ち止まって根本原因を調べる姿勢で好ましい」と評価した。
原子力規制庁によると、制御棒操作に関わるインバーターが電圧を上げられていないとして警報が鳴った。インバーター自体に異常はなく、電動機の始動時に電流の立ち上がりが遅くなるケースがあり、そのわずかな遅れを異常と検知したことが原因と考えられる。
柏崎刈羽6,7号機の安全審査で運転禁止命令が解けるまで、再検査に2年8カ月を要した。再稼働が大幅に遅れた理由は、東京電力の相次ぐ不祥事・工事遅れにある。地元の人々は『福島第1原発事故』に重ねて、大きな不信を与え続けられている。 『二度あることは何度もある。』
長期停止していた原発が再稼働直後にトラブルを起こした例は少なくない。柏崎刈羽6号機は約14年ぶりの再稼働で、東京電力も原発メーカーも世代交代が進み多くの技術がブラックボックス化している。再稼働を焦ることなく、真の信頼を回復するための一里塚とする余裕が必要である。

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