航空機

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航空機用構造材料の変革(Ⅲ)

バイパス比ターボファン・エンジンではファンブレード、ファンケース、ストラクチャルガイドベーン(SGV)を対象に、従来材料であるチタン合金やアルミニウム合金から、炭素繊維強化プラスチックスCFRPへの代替による軽量化が進められている。タービンの主要な高温部品である燃焼器、動翼、静翼についても、従来材料であるコバルトやニッケル基合金から、セラミックス基複合材料(CMC)への代替による軽量化が始められている。
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航空機用構造材料の変革(Ⅱ)

米国ボーイングの中型ワイドボディ機B787では機体材料に占めるアルミニウム合金の重量比が20%に減少し、複合材料(CFRP、GFRPなど)の重量比が50%に高まった。欧州エアバスの中型ワイドボディ機A350XWB機ではアルミニウム合金の重量比が21%に減少し、CFRPの重量比53%に高まった。
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航空機用構造材料の変革(Ⅰ)

航空機の燃料消費低減のために軽量化は重要課題であり、機体やエンジン部品(ファン、ファンケース、ファン動翼)への軽量合金や炭素繊維強化複合材料(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)の適用開発が、従来から継続的に進められている。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅲ)

EVシフトが進む自動車分野は、2030年時点でエンジン搭載車が91%残ると予測され、脱炭素燃料の供給が鍵となる。国際船舶分野では、重油から複数の脱炭素燃料への転換が計画されている。国際航空では、SAFの国内生産、サプライチェーン構築による安定供給体制の整備が検討されている。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅱ)

液体合成燃料の製造で、再生可能エネルギー由来の水素を原料としたものが「e-fuel」である。発電所や工場などから排出されたCO2を回収(CCS)して使用する。将来的にはDAC技術で、大気中のCO2を直接分離・回収する。e-fuelの製造コストは300〜700円/Lと試算され低コスト化が大きな課題である。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅰ)

運輸部門におけるCO2排出量の削減には輸送効率の改善が重要で、航空機、自家用乗用車、バス、自家用貨物車が対象として有効である。 現在、自家用乗用車、短距離用のバスや自家用貨物車は、EV化が急速に進められている。また、長距離用のバスや自家用貨物車のFCEV化が検討されている。一方、長距離用のバスや自家用貨物車、EV化やFCEV化が困難な航空機については、液体燃料の脱炭素化が選択肢の一つと考えられる。
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バイオ燃料の近未来予測

バイオ燃料は第一世代から第二世代への移行期にあり、今後、実用化段階にある油脂由来の先進型バイオディーゼルHVO、実証段階にあるセルロース由来のバイオエタノールが急拡大する。国際航空のカーボンニュートラル(CN)に向け、短中期的にはSAFがバイオ燃料の普及をけん引する可能性が高い。
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航空分野におけるSAF導入促進

国土交通省は航空分野の脱炭素化に関する基本方針案をまとめた。SAFに関して2025年の国産開始、2030年までに国内航空会社の燃料使用量の10%を置き換える目標を設定した。国土交通省や経済産業省などが連携して国際競争力のある国産SAFの安定供給に向け、関連企業の支援に乗り出す。
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国際線 CO2 排出:2050年に実質ゼロ

2022年9月、国連の専門機関・国際民間航空機関(ICAO)の総会で、国際線の航空機が排出するCO2を2050年に実質ゼロとする目標が採択された。一方、国内でも、新たな「バイオマス活用推進基本計画」(第三次)が閣議決定された。特筆されるのは、航空分野における脱炭素化の取組に寄与する持続可能な航空燃料(SAF : Sustainable Aviation Fuel)の社会実装に向けた取組の推進である。
航空機

バイオジェット燃料(SAF)の課題

バイオジェット燃料の価格は従来の石油由来燃料の約2倍といわれており、運航費の上昇に大きな影響を与える。そのため燃料メーカーは製造規模のスケールアップによる供給能力の増強と共に、プロセスの合理化による低コスト化が必須課題である。一方で、バイオジェット燃料の原料だけではなく、製造・使用プロセスも考慮したライフサイクル評価(LCA)が重要である。