洋上風力発電の現状(Ⅳ)

再エネ

 国内の洋上風力発電ポテンシャルは6億784万kWである。日本は2030年までに洋上風力で総出力:1000万kWの目標を掲げているが、現時点での見通しは500万kWに達しない。さらなる大規模開発を積み上げる必要がる。
 一方、第一弾の秋田・千葉県沖の3海域の大規模開発(168.84万kW)では、三菱商事連合が従来のFIT売電価格に比べて破格の安値(11~17円/kWh)で受注した。第二弾の秋田、千葉・新潟・長崎県沖の7海域の大規模開発(181.6万kW)では、伊藤忠商事、三井物産の企業連合が「ゼロプレミアム水準」の3円/kWhで受注した。欧米で起きている洋上風力の中止・撤退の二の舞を踏むことにならないか?

洋上風力発電の抱える課題

 国内の洋上風力は、第一弾では秋田、千葉2県沖の3海域で大規模開発(168.84万kW)、第二弾では秋田、千葉、新潟、長崎4県沖の7海域で大規模開発(181.6万kW)の公募を終え、第三弾の青森県・山形県沖(105万kW)に、長崎県五島市沖(1.68kW)を加えると、合計出力:457.12万kWに達する。

 一方で、世界風力会議(GWEC)は、2022~2031年の洋上風力導入量は日本が578万kW程度と予測している。日本は2030年までに総出力:1000万kW、2040年までに3000万〜4500万kWの目標を掲げるが、コスモエネルギーHDとエクイノールが検討している規模の開発が進まない限り目標達成は困難である。

 また、国内では主要な風車メーカー(三菱重工業、日立製作所など)が開発から撤退しており、洋上風力のサプライチェーン構築はこれからの大きな課題である。
 第一弾として、三菱商事連合により進められる秋田県沖と千葉県沖の3海域での洋上風力開発は試金石であり、失敗は許されない。従来のFIT売電価格に比べて破格の安値(11~17円/kWh)での受注である。果たして、欧米で起きている中止・撤退の二の舞を踏むことにならないか?

 また、第二弾として、秋田県沖・新潟県沖・長崎県沖の4海域で洋上風力発電を担う事業者の公募結果が発表された。新ルールにより1事業者に独占されることはなく、FIPによりモノパイル方式の洋上風力発電で伊藤忠商事、三井物産の企業連合が「ゼロプレミアム水準」の3円/kWhで受注した。
 特定の大口顧客に直接販売するコーポレートPPA(電力購入契約)を使えば、3円/kWhより高く売ることが可能である。しかし、経済的に成立させ、健全な洋上風力発電事業が継続できるか疑問である。

 今後、期待されるのは、複数の事業体が日本に拠点工場を設置し、拡大するアジア市場(台湾:1407万kW、韓国:745万kW、ベトナム:691万kW、インド:300万kW)を開拓する構想である。そのためには日本を拠点とするメリットを明確に示す必要がある。「日本市場規模の拡大」と「税制優遇・補助金」がポイントである。 

 国内の洋上風力発電ポテンシャルは6億784万kWである。日本は2030年までに洋上風力で総出力:1000万kWの目標を掲げているが、さらなる目標の積み上げにより、日本をアジアにおける洋上風力の拠点とするメリットを国内外の事業関係者に示す必要がある。
 一方、第二弾の公募で生じた不祥事は、国内外の洋上風力関連事業者に大きな不信感を与えた。公正なルールに基づく適正なFIP価格の設定を進めるなど、政府は信頼回復に努め、事業者の洋上風力への参入意欲を高める必要がある。適正な落札価格に関して、再考する必要がある。

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