2020年代におけるBEVシフト(Ⅱ)

自動車

米国メーカーの動向

テスラ

 BEV専業メーカーの米国テスラは、2012年6月からカリフォルニア州フリーモントにBEVの生産拠点「テスラファクトリー」を稼働させ「モデルS」を生産している。

 中国が2018年6月にEV市場での外資の出資制限を撤廃したため、2019年1月に外資独資の自動車工場第1号であるテスラ上海工場「ギガファクトリー3」の建設を開始した。生産能力50万台/年で、小型車「モデル3」(約550万円)と小型多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」(約740万円)を生産する。

 2021年には米国での販売量を越えて、中国が最大の市場となった。2022年3月には、ドイツのベルリン郊外に、3カ所目の拠点となるEV工場「ギガファクトリーベルリン・ブランデンブルク」で、ミッドサイズSUV「モデル Y」について50万台/年の生産を欧州市場に向けて開始した。

GM

 米国GMは、2021年11月にミシガン州のGM本社近郊に初のEV専用工場「ファクトリー・ゼロ」を開設している。燃費性能が悪い大型車「ハマー」をBEVである「ハマーEV」(約1300万円)として復活させ、小型車「シボレー・ボルトEV」(約370万円)などの販売を開始した。

 2023年には小型SUV「シボレーエクイノックス」(約360万円)を販売予定している。2035年を目標に、電気自動車(EV)専業に向けてかじを切ることを表明している。

フォード・モーター

 フォード・モーターは欧州市場において、2024年までにBEV乗用車3モデルとBEV商用車4モデルを投入し、2026年から欧州で60万台/年以上のBEV販売を目指す。2030年には欧州で販売する乗用車をBEVのみとし、商用車も2/3をBEVかPHEVにすると表明している。

 技術提携しているフォルクスワーゲンのBEV専用プラットフォームを活用して生産を進めており、米国内でマスタングのBEV「マスタング・マッハE」に続き、電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」を発表した。ただし、BEVの生産比率は1%と低いのが現状である。

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