2020年代におけるBEVシフト(Ⅷ)

自動車

 政府は2030年までにEV充電器を15万基に増やす目標を掲げる。国際エネルギー機関(IEA)によると2021年で、日本の設置数は29,193基。米国の113,527基、EUの333,204基、中国の1,147,000基であり、人口1人当たりでも米国は日本の1.5倍、欧州は3.2倍、中国は3.5倍と、日本の出遅れが目立つ。

充電事業への参入企業が増加

 2022年に入って、ようやく民間企業の充電事業への参入が加速し始めている。

2022年6月、マンションへのEV充電器の導入・運用を進めてきたユアスタンドはニッパツと組み、機械式立体駐車場の全区画で充電ができるシステムを商品化した。ニッパツ子会社製の機械式駐車場は全国に計30万台分あるが、ほぼEV充電器は設置されておらず、モニター設置から開始する。

 2022年6月、新電力のENECHANGE(エネチェンジ)は三菱オートリースと販売契約を結び、2027年までにEV充電器3万基の設置を計画する。コインパーキング運営会社や駐車スペース所有者に、低コストでEV普通充電器(出力:6kWの倍速充電対応)の設置を進める。
 初期費用0円、利用料9,800円/月などの多様な料金プランを用意し、EVドライバー向けに「エネチェンジEV充電」アプリを提供する。専用アプリを利用することで月額費用不要で、いつでも誰でも好きな時に、EVやPHVへの充電を可能とする。

 2022年9月、オリックスはEV充電器事業への参入を発表した。EV充電システムを手掛けるユビ電に出資し、リース事業のオリックス自動車と2025年までにEV充電器を取引先の駐車場やマンションなどに5万基設置する。ユビ電製のEV充電器の低コスト化を図り、設置コストを3~6割程度引き下げる。

 2022年9月、JTBグループはテラモーターズと2025年までに国内観光地に5000基のEV充電器を設置する。JTBコミュニケーションデザインは観光地に2000基強のEV充電器を設置しており、スマートフォン・アプリと連携し充電料金をオンライン決済できるなど利便性が高い充電器への置き換えを進める。

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